備える、始める“優しい妊活”〜誰でもできるプレコンセプション・ケア〜ダイジェスト版後編

3月8日(火)の国際女性デーを目前に、3月5日(土)~3月8日(火)の4日間、女性と社会に“気づき”を与えるキャンペーン「W week」を開催し、3つの無料オンラインカンファレンスが行われました。その中から、3月5日(土)のカンファレンス「備える、始める“優しい妊活”〜誰でもできるプレコンセプション・ケア〜」をダイジェストにてご紹介します!(前編はこちらから)


スポーツトラベラーの福田 萌子さん、雑誌Hanako編集エディター・コミュニティマネージャーの土屋 志織さん、そしてメディカルパートナーの杉山産婦人科 理事長の杉山 力一さんをゲストにお迎えしたオンラインカンファレンス「備える、始める“優しい妊活”」後編では、「プレコンセプション・ケア」をテーマに、AMH検査について、婦人科の受診はどのくらい必要か?視聴者からのQ&Aなどを、本音でパワフルにディスカッション。

ゲストのプロフィールはこちらから


セッション1:「AMH検査」を活用して未来をハッピーに!


杉山先生

AMH検査とは、抗ミュラー管ホルモンの略で、血液検査で卵子の数の目安が分かる検査です。あくまで目安なので、実際の値とは前後しますが大体の卵子の数が分かります。


早発閉経といって30代で閉経してしまう人がいます。こういう場合に、例えば25歳でAMH検査を受けて自分の卵子の数を知っておけば、事前に予知できるんですね。


AMH検査で卵子の数が少なければ、すぐに妊娠を考えるとか、将来のために卵子を凍結するとか未来へ向けて考えて行動することができます。心の余裕にもつながりますよね。


体外受精が4月1日から保険適用になるので、それに付随して体外受精にトライする方はAMH検査も保険適応でできるようになります。ただ、プレコンセプションケアとしては、病気ではないので保険適応にはなりません。自費でだいたい7,000円くらいの検査です。

土屋志織さん

私、AMH検査を受けてみたのですが、30分もかからないぐらいの簡単な血液検査で、すごく気軽に検査できるものだと感じました。結果が出るまでの数日間ドキドキしていて、悪い結果だったらどうしようと、不安がありました。


実は、友人にもAMH検査を勧めたのですが、実際に受けてもらったら、良くない結果が出たということがありました。結婚をしてこれから妊娠というタイミングでもあったようで、このAMH検査をきっかけに、実際に不妊治療を始めるそうです。私としては、早く見つかってよかったなと思っています。


谷村

そうですね…何が潜んでいるかわからないので、「病院って怖いな」という気持ちもわかります、、でもいち早く婦人科を受診して欲しいと思います。W societyの活動を通して、女性の背中を少しずつ押せたらなと思ってるんですが…。

福田萌子さん

「怖い」という感情、もちろん分かります。でも、ベストを尽くさないといけないじゃないですか?自分のプランをちゃんと見据えて。子どもができることが人生の全てではないし、自分がどういう風な人生を歩んで、どういう幸せを見つけていくかによって変わってくると思うんですよね。


自分がどういう人生を送りたいのかを、自分自身が知っているかどうか、ということが、本当に大事なことだと思います。今の自分の現状を知らないと、どうベストを尽くしていいかも分からない。


もちろん、検査をして「何か見つかったらどうしよう」という怖さもありますが、結果の良し悪しに関わらず自分自身を知っているからこそ、ベストを尽くせる。

例えば自然妊娠を考えていたけど、検査の結果で自然妊娠が難しいなら体外受精にトライしようとか。私は子供との人生をマストと考えているので、私に子供を作る機能がもしも無いなら養子縁組をして子供を迎えて、子供と一緒の人生を歩みたいとも考えています。


だから「自分を知る」っていうことは、ショッキングな事もあるかもしれないけれど、本当に大切なことです。自分のこれからの人生、「怖いからどうしよう」と迷ったり、思い止まっているとベストが尽くせないので、ぜひそこは怖がらずに婦人科を受診して検査を受けて欲しいと思います。


土屋志織さん

先ほどお伝えした私の友人も、良くない結果を知った時はショックを受けたそうです。ですが、早めに知ることができて本当に良かったと言っていたので、怖がらずに婦人科を受診して検査を受けて欲しいと思います。


セッション2:婦人科を受診する回数は何回がいいの?

「生理痛が重い=ピルを飲むタイミング」

杉山先生

体に異常が無ければ、2年に1回ぐらいの検診でいいと思います。ちょっと生理痛が重いなと感じているようであれば、毎年検診をした方がいいですね。


生理痛が重いのは、何かの病気が潜んでいます。超音波で卵巣を見て腫れがなければ、大丈夫です、と済まされる事が多いのですが、「生理痛が重い=ピルを飲むタイミング」だと思います。ピルによって生理痛も和らぎますから。


最近日本では長期飲めるピルが承認されました。3ヶ月間飲むと3ヶ月、1回も生理がこないのです。これまで、1か月に3週間飲んで、1週間休薬するというスタイルだったのですが、それを3週間ではなくて、120日間飲んでもいいというピルが出たんです。

つまり、3ヶ月間、排卵しないことになります。世界では、この長期ピルがスタンダードです。


福田萌子さん

ピルを飲むにあたり、妊娠を考えている人はどう活用すればよいですか?そして、生理痛が重い&妊娠を希望する人は、ピルをどう活用すればよいのでしょうか?


杉山先生

すぐに妊娠したい場合は、ピルの服用をやめた次の月から妊娠できます。生理痛が重くて妊娠したい方の場合には、しょうがないのですが、生理痛を我慢してもらうしかないです。今すぐ、妊娠を望んでなければピルを飲んだほうが病気の予防になると思います。


セッション3:視聴者からのQ & A

Q:

妊活はパートナーがいる人が基礎体温を測りながら、子どもを作るタイミングを探るなど、妊娠するためのアクションを取る印象を持っていました。例えば現在パートナーがいなくても、具体的な妊娠の予定がない人でも、妊娠に向けてできることはあるのでしょうか?


A:杉山先生

基礎体温をつけることで、低温期と高温期がはっきり分かれば、それは排卵しているという証拠になります。そして、妊活前に基礎体温を測る必要は特にないかなと思います。あとは生理が毎月ちゃんと順調に来ている方は、間違いなく排卵しているので大丈夫だと思いますね。生理不順の方は、妊活前でも病院に行って、きちんと治療した方が将来妊娠しやすいと思います。


Q:

不妊治療ってどれくらいお金がかかるのですか?また、不妊治療は辛いというイメージがあるのですが、具体的にどんなところに辛さがあるのでしょうか?


A:杉山先生

「妊娠できない」ということが一番のプレッシャーで、ゴールが見えないという方が多いです。あとは、体外受精では、注射を打ったり採卵したりしますので、その時に痛みがある方がいらっしゃいます。


4月から保険適用になりますので、金銭面に関しては保険の範囲で行えばそれほどかからないと思います。


日本の保険にはすごく良い制度があります。高額療養費制度というのがあり、年収に応じて月〇〇円以上は還付される制度があります。ですから、例えば今まで50万かかっていても4月から3割負担になるので、15万円。さらに、その高額療養費制度を使うと例えば8万円返ってくるんですね。本当にそういう面では、安い金額ではないですが、高くて不妊治療にトライできない金額でもなくなってきたのかなと思います。


4月からの運用ですのでまだ把握しきれてないのですが、金銭面ではずいぶん上限が見えてきたと思います。


ちなみに不妊治療が保険適用になりますが、回数制限が設けられました。40歳までにスタートした人は6回まで。43歳までの人は3回。43歳以上は保険適用無しです。これは補助金という制度があって不妊治療にかかる30万円は実は補助金で賄われていますが、それと同じ年齢制限が課せられています。国が40歳以下であれば6回っていうのは、「40歳までに妊娠してください」という暗黙のメッセージなのかなと感じています。


Q:

日本は、一人当たりの体外受精の回数が多いということですが、何回ぐらいが平均の回数でしょうか?


A:杉山先生

卵の段階で染色体の検査をすると、妊娠できない卵がはっきりと分かります。その卵子を使わないことによって、妊娠率が上がります。だから3個のうちどれか1個だけこの中に妊娠できる卵子があるなら検査をすれば分かるわけです。正常な染色体の卵子を入れると7割ぐらい妊娠します。台湾の確率が高いというのは、台湾は1回目から染色体の検査を行えて、正常な卵子を選ぶことができるので、台湾では妊娠の確率が高いのです。日本は染色体の検査を行えないので、妊娠の確率が低くなっています。

メディカルパートナーの杉山先生を中心にゲストの福田さん、土屋さんとともに、ひとりひとりが思い描くハッピーな未来を送るために、今何をしたらいいのか?本音トークで笑顔溢れるカンファレンスの様子はW society公式YouTubeチャンネルをご覧ください!