「わたしが描く”Well-Living”な未来」〜「カラダを知る」から始まるライフ・デザイン〜ダイジェスト版後編

3月8日(火)の国際女性デーを目前に、3月5日(土)~3月8日(火)の4日間、女性と社会に“気づき”を与えるキャンペーン「W week」を開催し、3つの無料オンラインカンファレンスが行われました。その中から、3月6日(日)のカンファレンス「わたしが描く”Well-Living”な未来」〜「カラダを知る」から始まるライフ・デザイン〜をダイジェストにてご紹介します!


グローバルな感覚を持つモデルの長谷川ミラさんと実業家の川村真木子さん、そしてメディカルパートナーの行徳総合病院 婦人科医師の坂本愛子さんをゲストにお迎えしたオンラインカンファレンス「わたしが描く”Well-Living”な未来」後編では、子宮頸がん、低用量ピル、コンドームの重要性などにについて、本音で赤裸々に、パワフルにディスカッション。前編はこちらから。

ゲストプロフィールはこちらから


セッション1:もっと気軽に婦人科に通うには?

坂本先生

日本は、婦人科に気軽に行くというスタイルが、残念な事にないですよね。

例えば、思春期の子が生理痛で学校を休むと言った時に、「しょうがないね」で済ませて、養護教員の先生を含め大人たちが「婦人科を受診してみる?」とアドバイスできない。子どもが訴えている痛みや症状に大人が気づけない社会なので、子ども達は我慢して過ごさなくてはいけないですよね。そんな社会になっているんです。


大人の「意識」が変わらないと、子どもにも伝わらないと思います。一度、婦人科に来てもらえれば、検診や子宮頸がん、卵子凍結などの色々な情報が待合室にたくさん置いてあるので、「未来の選択肢を見つける」きっかけになると思うので、是非、婦人科に来て欲しいですね。


長谷川ミラさん

私は、高校生ぐらいの時から生理痛が辛くて。それを母に相談したら、母が「婦人科に行ってみたら?」とアドバイスしてくれました。


専門の先生が生理痛について、どうアドバイスしてくれるのか聞いてみたら?と背中を押してくれたんです。それがきっかけで、婦人科を受診するようになりました。


病院に行くのが怖いという気持ちはよくわかります。だからこそ、家族、友人、女性のコミュニティをもっともっと活用して、“病院が怖い”というイメージを払拭できたらいいなと思います。

セッション2:子宮頸がんは、ワクチンで防げ!

坂本先生

若い人が罹りやすい子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスによって感染します。尖圭コンジローマという性病の仲間ですね。このウイルスの一番の特徴はワクチンで防ぐことができるということです。


性交渉の経験がある女性の5割から8割はみんな持っているウイルスと言われるくらい、かなりポピュラーなウイルスです。


毎年子宮頸がんで2,800人が亡くなっています。セクシャルデビューをする前の、小学校6年生くらいから高校1年生までの間にワクチンを3回打つと効果的だと言われていますので、ぜひ打って欲しいです。

長谷川ミラさん

私は、子宮頸がんワクチンを打ちました。


母に「子宮頸がんのワクチンどうする?」と聞かれました。私は、自分で子宮頸がんワクチンについて色々と調べて、そして打つべきだなと思って打ちましたね。


日本は、性教育が乏しいので「性」に関する話が気軽にできる環境ではないと感じています。だから、子宮頸がんは性交渉で感染します→ワクチンで防げます→ワクチンを打とう、という話も簡単にできない環境だなと感じますね。


性について教えない、だから学べない。本当に日本の悪循環な部分が露呈していると思います。


坂本先生

陰茎がんとか肛門がん、咽頭がんの一部も関係しているので、世界的に見ると、女性だけではなく、男性もこの子宮頸がんのワクチンを打っている国もあります。国全体でみんなでワクチンを打つことが、感染を抑えるのに効果的なので打ちましょうという国もあるので、子宮頸がんワクチンについては日本は他国に比べてかなりの遅れを取っていますね。

川村真木子さん

私も、子宮頸がんワクチンを打ちました。ワクチンを打つことはもちろんですが、アメリカでは子宮頸がんに罹っているかどうかのチェックテストを、半年に一回行うのが当たり前になっています。日本では検診の案内が来てもほとんどの人が検診に行かないですよね?



坂本先生

どうして婦人科の受診率にこれほどの差が出るのか?おそらく、「認識」の違いが大きいと思います。日本は世界的に見ても検診受診率がとても低いです。もっともっと、こういう場を借りて受診してもらえるように啓発を続けていかなければ、と思います。


セッション3:生理痛や生理不順を改善!低用量ピルをうまく活用

「ピル」と聞くと避妊薬なのでは?というイメージが定着しているために、ピルを利用しにくいという問題が現在でもあります。改めて低用量ピルについて勉強しましょう。


坂本先生

ピルは、生理不順の改善、生理痛や過多月経の症状改善など幅広く治療として有効です。

エストロゲンとプロゲステロンの2種類の卵巣ホルモンが一つの錠剤に含まれているもので、1日1粒ずつ飲みます。


基本的に、ピルを飲んでいる間は生理が止まって、ピルを休んでいる間に生理が始まります。だいたい3週間飲んで、1週間お休みをするというサイクルがスタンダードですね。これを繰り返します。お休みしている間に生理がくるので、そこでピルを飲むのを辞めると、1ヶ月後には自然周期の生理がきます。妊娠したい方は、そのタイミングでトライすることも可能です!

ピルは、1シートがセットになるので、途中で辞めると不正出血が起こる可能性があります。


日本では、生理痛の治療に保険が適応されたのは、2008年からです。避妊用(自費)と、生理痛などの治療用(保険適応)のものとありますが、中身は同じです。保険適応のものと、自費のものを分けているのは、世界で日本だけだという噂がありますね〜


長谷川ミラさん

私がピルを使うきっかけになったのは、イギリスに住んでいた時です。イギリスって、ピルが無料でもらえるんです。だから気軽にスタートできるし、どのピルが自分にあっているのか、トライしながら知ることができます。


つい2年ぐらい前ですが、クリアバッグの中にピルをそのまま入れて持ち歩いていたら、友達から「ミラ、クリアバッグにピルを入れるのをやめた方がいいよ」と言われました。性的にアクティブだっていうのをアピールしているように見えるからだと。


ピルが避妊のイメージがあるのは、私たち女性がそういったイメージを作っているのでは?と強く感じました。


もっと女性同士で、「ピル飲んでる!」って大きな声で言えたり、「生理痛がひどいよ」と言うことができれば、生理痛には「お茶はどう?ホッカイロいる?ピルもあるよ!」と、コミュニケーションができるようになると思うんですね。生理痛に対してもいろんなチョイスがあることが当たり前になる社会にできたらいいですよね。

坂本先生

長女が留学した時、アメリカでは周りの子はみんなバースコントロールとして、ピルを飲んでいたそうです。私はその当時、10代の子にピルを持たせるという意識がなかったのですが、その反省を込めて、三女がカナダに留学する時は、しっかりピルを持たせました。


海外では、1970年くらいにはピルは一般化していました。でも、日本で承認されたのは、バイアグラの承認の時と同時期でした。政府は、バイアグラを承認したので慌ててピルを承認したという歴史があります。私たち親世代がピルについて無知なのは、ピルの歴史が浅いということが大きいと思います。


セッション4:コンドームは社会のルール

川村真木子さん

日本人は、アメリカ人と比べるとコンドームをつけない人が多いと思います。つけない理由は、コンドームの重要性を学んでないからだと思いますね。コンドームをつけないで性行為をすることが、いかに危険なことなのか知らないまま大人になってしまう。様々な性病から自分と相手を守れるのにとすごく思いますね。


坂本先生

本当にそうですよね。コンドームはコロナ禍で言う「マスク」ですよね。ですから、社会のルールとして必ず必要なものなのですが、誰かから教えてもらう機会がない。


そして問題なのは、日本の男の子は性教育を受けずに、アダルトビデオから性行為を学んでいるので、すごく乱暴的なことをする、女性を服従させるようなやり方がスタンダードだと思っています。だから、この辺りももっともっと性教育を充実させていかないと、問題の解決にならないと思います。


長谷川ミラさん

女性同士で何ができるかと考えたら、ちゃんと声を上げることだと思います。「アダルトビデオを見るな」と言っても、これだけネットが普及している社会ですから必ず見ますよね。だから、乱暴的な性交渉は「私はしない」と、事前に相手に伝えるとか、コンドームを使用しない人とは「できない」と流れに合わせずに「NO」と声をあげることが大事だと思います。


川村真木子さん

娘はインターナショナルスクールで育ちました。彼女には「誰と何をしてもいいから、プロテクション」が大事だよ、と伝えています。自分を守ることが相手を守る事にも繋がるしとっても大切な事だと思います!


セッション5:更年期障害は治療ができる!上手く付き合って“Well-Living”な未来を

坂本先生

更年期障害は、生理痛と同じで辛ければ治療ができます。だから、「早く病院に来てください」と大きな声で言いたいです!


ホルモン補充療法という治療があります。顔だけ急に暑くなる症状を「ホットフラッシュ」と言って、典型的な更年期の症状がありますが、ホルモン補充療法がとても効きます。効かなかった人を見たことがないかもしれません。


50代で卵子がなくなり排卵しなくなると、急激にエストロゲンというホルモンが下がります。その下がる時に変動が激しく体がついていけなくなることで、交感神経の不調が起きます。これが更年期障害です。


エストロゲンがない状態で55歳、60歳と過ごしていくうちに体が慣れていくと、不調は少なくなっていきます。だから、エストロゲンが大きく変動する時だけ少し外からホルモンを与えて変動を少なくする、それがホルモン補充療法になります。


当然のように女性ホルモンを与える治療を積極的に行なっている国もありますが、日本の更年期障害の受診率は、1割前後と、かなり低いです。がまん強いく、薬嫌いな日本女性というのが根本にあります。もっと「薬や病院を頼っていいんだよ」と思います。せっかく文明の利器がありますから、ぜひ利用してください!



もっと自分=私を知って、「私」を置いていかないで!

川村真木子さん

最初にミラちゃんが、今日のテーマについて「私を知ろうっていうのは当たり前じゃん」と言いましたけど、日本の女性は、私を知ろうは当たり前ではなくて、むしろ逆で「私なんか知らなくていいです。もっと周りの人のことを気にしなきゃ」と考えるのが日本人のスタンスなのではないかなと感じています。


だから、どこかに「私」を置いてきちゃうんですよ。知らない間に病気になっていたり、病気が取り返しのつかない状態になっていたり…そういう方が日本の女性に多いなと感じますね。


社会を変えるのはすごく時間がかかってしまいますよね。だから、お子さんがいらっしゃる方はぜひ、お子さんにこのカンファレンスの内容を教えてあげてください。今日できることから一つずつしていきましょう!


「自己肯定感」の一つに「自分=私」を自分で置いていかないで!ということが含まれていると感じます。自分自身を愛することで自分を守ること。もっと自分のことを知って好きになること、それが 「わたしが描く“Well-Living”な未来」に繋がるのではないでしょうか?

白熱のカンファレンスはWsociety公式Youtubeチャンネルをご覧ください!