もっと話そう!子どもと「性」のこと。~寄り添うオトナの、最新「性教育」コミュニケーション~ダイジェスト版前編

3月8日(火)の国際女性デーを目前に、3月5日(土)~3月8日(火)の4日間、女性と社会に“気づき”を与えるキャンペーン「W week」を開催し、3つの無料オンラインカンファレンスが行われました。その中から、3月6日(日)のカンファレンス「もっと話そう!子どもと「性」のこと。~寄り添うオトナの、最新「性教育」コミュニケーション~」をダイジェストにてご紹介します!


一般社団法人Woman‘s waysの潮田玲子さん、Bé-A Japan代表取締役CEOの山本未奈子さん、メディカルパートナーの行徳総合病院 婦人科医師 坂本愛子さんをゲストにお迎えしたオンラインカンファレンス「もっと話そう!子どもと「性」のこと。」前編では、坂本愛子先生を中心に子どもに伝える性、アスリートと生理、進化を遂げた生理用品について本音でパワフルにディスカッション。


ゲストのプロフィールはこちらから


セッション1:アスリートと生理

潮田さん

私の団体は、女子アスリートの生理とコンディションについてのセミナーを開催しています。昨年の6月に元プロテニスプレーヤーの杉山愛さん、飛び込みの元日本代表 中川真依さん、元バレーボ―ル選手の狩野舞子さんとともに立ち上げた団体です。


女性の体とコンディションというのは密接に関わっていますよね。特にアスリートにとっては本当に密接です。生理はみんなに起こることだから休めないし、もし休んだらレギュラーポジションを取られてしまうかもしれない、という不安を持ったりします。だから、我慢しなきゃいけないものだと。


現役を引退して10年経って思うことは、自分の感情、ホルモンバランスや生理など、体のコンディションをバランスよく考えていたら、もう少し気持ちよくプレーできたんじゃないかということです。ピルをもっと早く取り入れていたら、パフォーマンスは上がったかもしれないなと思います。


この経験を活かして、今のスポーツを頑張る女の子たちが知識を得て、何かプラスになればいいなという思いで、この団体を立ち上げました。

いろんなセミナーを開催していますが、参加して良かったという声を沢山頂いています。アスリートのみならず、若い子達って勉強やスポーツの両立などをすごく頑張っていますよね。でも、それが生理の影響で思うように上手くいかなかったりしても、なんで上手くいかなかったのか?が分からない時がありますよね。生理が始まると昨日できたことが今日できなくなったりとか。


それで自分を責めてしまう子たちがすごく多くいます。「あなたが悪いわけじゃないよ」ということを沢山の子に伝えることによって、自分の体を知るきっかけの一つ、安心材料になればと思います。


また、女子スポーツ界も男性の指導者がすごく多くいらっしゃいます。指導に当たってる男性スタッフも意識を変えていかないと、選手だけでは頑張れないところもありますから。コーチ、スタッフ、トレーナー含めみんなでセミナーをやって、みんなでディスカッションしましょう、というスタイルで活動を行なっています。


セッション2:進化を遂げた生理用品、子どもでも使いやすい吸水ショーツ

山本さん

実際に初潮を迎える年齢は10歳前後と言われています。その初潮を迎える子どもたちと親に向けてセミナーをしています。


学校で教えてくれる生理についての情報は、限定的なんですね。体の仕組みや構造はサラっと、実際に生理になった時の痛みや、どこから経血が出てくるのか?などは教えてくれないんですよね。生理用品もほとんどの子が見たことがないから、どんな生理用品があるのかも分からないという現実があります。

実際にナプキンに水を吸収させたり、タンポンに吸収させたり、スポンジを膣に見立ててタンポンを挿入してみたり。こういったことは、家庭や学校では教えてくれないので、セミナーを開催して皆さんに伝えています。


今、生理用品にはいろんな選択肢がありますが、どういう風に「生理」や「性」に対して向き合ったらいいのか分からないと悩んでいる親御さんが沢山います。世界に70億人の人口がいて、その半分が生理を経験するわけですから、恥ずかしいことじゃないし、当たり前の自然現象なんだよ、ということを伝えています。


でも、お母さんがまだ「ちょっとそれ(生理用品)は隠しなさい」と言うんですね。昔、私達も袖の下にナプキンを入れたり、ポーチに入れて持って持ち歩くのが恥ずかしかったですよね。30年たった今でも、私の娘が同じことをしてるんです。それを見た時に、びっくりしました!そこはやっぱり変えていかなくちゃいけないと、すごく思いますね。


谷村

昨今、吸水ショーツが出てきて、子どもにとってもストレスが軽減されるアイテムだなと感じています。山本さんが作っている吸水ショーツってすごくいいなと感じています。


山本さん

実際に、低学年で生理になった子の話ですが、低学年のトイレって汚物入れがなくて、それで登校拒否になってしまったそうなんです。吸水ショーツって、ゴミが出ない、ナプキンを持ち歩く必要がない、という意味では本当にお子さんに向いている商品ではないかなと思います。実際の商品がこちらです。

潮田さん

私もこれ使ってますよ。すごく安心ですよね。


山本さん

この中に吸水体がついて、この部分で経血を吸水します。2日目の一番多い日で、平均して30mlから50mlの経血が出ると言われていますが、この吸水ショーツは120ml吸水しますので、ほとんどの方が、このショーツ1枚で快適に過ごせると思います。それから、温め機能がついていますので、お子さんの最初の生理用品の選択肢として吸水ショーツも良いと思いますね。


セッション3:教えて坂本先生!低容量ピルについて

坂本先生

低用量ピルは、実は1970年代に海外では使用がスタートしていました。私が生まれる前なんですよね。


日本では1990年ぐらいに申請を出している段階だったんです。薬の安全性とは関係なく、単にピルを認めてしまうと性感染症が流行するのではないか?という理由で長い間、保留になっていました。


1999年に男性の勃起障害ED の薬「バイアグラ」が申請から半年で異例の承認を受けました。ピルはストップしているのに、バイアグラは申請から半年で承認されるのは男女差別なんじゃないか?という批判を受けて、申請から9年ぐらいたってから、急激なスピードでピルが承認されたという経緯があります。


日本は先進国の中で一番遅れてピルが承認されたので、親世代はピルについて知らないと思いますね。私が研修医になった頃にようやく使えるようになりましたので。。その後、今の高校生ぐらいの子たちが生まれるころの2008年ぐらいに、生理痛に対しての使用の承認が得られ、保険適応になりました。だから、日本のピル事情は使用開始から20年ぐらいしか経ってないので親世代のピルの知識が少なく、もっと認識を広めていきたいですよね。


谷村

潮田さん、スポーツ現場の中でピルを活用されてましたか?


潮田さん

ちょうど北京オリンピックが開催された2008年にピルを活用しました。

世界選手権とか、大事な時にどうしても生理と重なりたくなかったのでコントロールできないか?と婦人科の先生に相談して、初めて服用したんですよね。


その時は、周りでピルを使っている人もいなかったので、急激に使うと色んな副反応があったり、コンディションが若干変わってパフォーマンスにつながらなかったりだとか難しかったのですが、そこから10年以上経ってピルの種類も増えました。ピル、低用量ピル、超低用量ピルなど色々とありますから、自分に合ったピルでコンディションを合わせていくのがいいと思いますね。


坂本先生

低用量ピルはドーピングに引っかからないですしね。


潮田さん

そうです。それが承認されてアスリートも使いやすくなったなと思います。

坂本先生

海外だと8割ぐらいのスポーツ選手が飲んでるという噂ですよね。最近は低用量ピルからさらに量の少ない超低量ピルというのも出てきましたし、3週間飲んで1週間お休みする連続投与ができるピルもあります。飲んでいる間は生理が止まって、1週間お休みしてる時に生理が来るというメカニズムのピルなんです。


生理をコントロールする目的なら、月に1回の服用にしなくていいんじゃない?3~4ヶ月ずっと連続で飲んで、年に3~4回の生理の回数さえもさらに減らすという飲み方も主流になってきています。だからもっとピルを活用して、女性が過ごしやすい社会になっていくと思いますね。

こちらのカンファレンスのフル動画はW society公式youtubeチャンネルをご覧ください。

後編では「子どもへの性教育」について、坂本先生が子どもの年代別にレクチャー。親も子どもも恥ずかしさを感じる性教育を、正確に楽しく伝えるためのコツをお伝えします!


後編はこちらから